Q1:代替医学・代替医療はいつごろから注目されるようになったのですか?
近年、新聞、雑誌、テレビ、インターネット等で代替医学・代替医療を求める患者が急増しております。
アメリカでは、1992年に米国国立衛生研究所(NIH)という世界的な最先端医学研究施設の中に、代替医療事務局が設立され代替医療を科学的に研究しております。現在アメリカではハーバード大学をはじめ医学部に「代替医療研究センター」が20校以上にもなり、診療・教育研究が行われています。
わが国でも厚生労働省の研究班が代替療法について、がん専門病院やホスピスなど全国60以上の施設の患者さん数千人にアンケートをして、その効果や副作用を調査し、2002年秋までにデータをまとめています。
Q2:代替医学・代替医療はどのような特徴をもっていますか?
代替医学・代替医療とは、近代西洋医学以外のものを総称したものです。世界の伝統医学、民間療法など西洋医学に対抗した新しい治療法も含まれます。
中国医学における中薬療法・鍼灸・指圧・マッサージ・カイロプラクティック・気功、インド医学におけるアーユルヴェーダなどの伝統医学や、免疫療法、薬効食品・健康食品、薬草(ハーブ)療法、アロマセラピー、ビタミン療法、食事療法、精神・心理療法、温泉療法など多数あります。これらの中には、非科学的なものから作用機構や有用性が科学的に証明されているものまで多岐にわたります。
Q3:代替医学・代替医療はどのくらい利用されておりますか?
1990年の調査によれば、米国での代替医療利用者数は国民の約34%であったのが、1997年には42%と増加しております。代替医療については1999年に国立候補・代替医療研究センター(NCCAM)、NIH、その他のセンターで調査を開始し、全米13の医科大学に年間5,000万ドルの研究費が支出されました。
その後も研究費は増額されて、2001年には8,600万ドルに達し、3年後には2億ドルとの予測もされています。
世界規模でみると、代替医学・代替医療は600億米ドルにもなり、毎年増加しています。WHOによる代替医学・代替医療に対する調査によれば、アフリカでは、約80%の人が伝統医学を用いています。
裕福な欧米諸国でも多くの患者が予防のために代替医学・代替医療に頼っています。フランスでは人口の75%が少なくとも1回はこの代替医学・代替医療を用い、ドイツではペインクリニックで77%が針治療を受け、イギリスでは年間23億米ドルが代替医学・代替医療に使用されています。
Q4:代替医学・代替医療が正しく使用されないとどのような問題が起こりますか?
代替医学・代替医療が正しく用いられていないと、色々な問題が起こります。中国で伝統的に用いられている麻黄という薬草は、肺うっ血の患者に短期間使用されてきました。一方、米国ではこの薬草をダイエットの補助剤として市販しており、これを長期間使用したために、心臓発作や脳卒中による死亡者を出しております。
ベルギーでは、ダイエット補助剤として薬草を摂取したため、約70名の患者が心臓の間質性線維症にかかり、腎臓の移植や透析を行わざるを得ない状態となっております。
Q5:代替医学・代替医療を分類するとどのようなものがありますか?
代替医学・代替医療を分類すると下記のようになります。